2014年11月11日火曜日

縄文まつり〜ハレとケ

8年くらい前、西表島で1ヶ月間ホテルに住み込んでアルバイトしていました。ただ、沖縄に行ってみたくて。




沖縄って広いね。宜野湾出身の子に「そんなとこ行ったことないし、これからも行かない」って言われてびっくりしたけど、行ってみて納得。島のほとんどがジャングルだった。

ベテランのヘルパー先輩に「ここは日常のレクリエーションがないから、お祭りや行事がとても大切にされているんだよ。“ハレとケ”がはっきりしてる土地なんだ」と教えられて、「へぇ〜、確かに何もないな」って思った。

でも、コンビニも街の灯りも人混みなんかなくても、スーパーのチョコレートは1回溶けて白くなってても、星空やまとわりつくような暑さにパイナップル、台風の時の風の音、集落の人との挨拶、泡盛に三線、ひとつひとつをとっても近く感じることができて、栄養士としての働き口ないかなって本気で探してみたりした。友人には鼻で笑われたけど、それくらい突拍子もない熱にやられてるように見えたのでしょう。

それから数年。久しぶりに西表島を思い出したら「何もないところ」から「すべてあるところ」に私の印象が変わっていた。

“ハレ”の日は非日常で特別な空間や時間なんだけど、そこへ向かう“ケ”の日常がしっかりしていないと“ハレ”の日は迎えられない。“ハレ”の日で出し切るものは、“ケ”の日々で培われ、積み重ねられたものだから。

“ハレ”と“ケ”は別々のものではなくて繋がっているんだ。何もない日常と、特別な日という区別はなく、ぐるぐると繋がっている日々だったのだと気付いた時に、西表島を思い出した。まさにそういう時間を過ごしている人たち。



縄文まつりでスタッフのまかない担当として参加させていただいて4年目。今年はそのことを、より強く感じてしまった。


今年はあまり重ね煮をしなかったけど、その分気付いたことや広がったことがあった。重ね煮は素晴らしいけど、頼りすぎている自分も発見。発見できたらそこから広げる工程は難しいことではなく楽しいこと、という発見も。

皆さんには「ずっとキッチンにいるんじゃない?」って心配されるけど、意外とフラフラ歩き回り、見たいステージは見に行ったり買い物したり。

そしてとっても贅沢な時間は、ライブを聴きながら調理すること。眼で見えない分、耳から聴こえる音や、グランドのうねり、みんなのワクワクを感じるのかもしれなくて、とっても贅沢なキッチンなのです。

素晴らしい人たちが素晴らしい日常で培ったことを、本当に楽しそうに出し合って遊べる場。積み重ねもそれを壊すことも、混ぜることも、なんでもあり。


思う存分”ハレ”を楽しみ、“ケ”の時間を愛おしく思える場所が縄文まつり。皆さんの日常も、愛おしい時間でありますように。

0 件のコメント:

コメントを投稿